今井 洋一郎 氏
- 今井航空機器工業株式会社
- 専務取締役
- 今井 洋一郎 氏
- 2002年 外国語学部 英米語学科 卒業
逆境に負けない現在のベースとなった高校時代の留学経験
大学に入学する以前の話にはなりますが、高校時代には留学も経験しました。場所は人口900人程度のオレゴン州にある小さな町でしたので、留学生も少なく、私を含めてたったの3名。ESLの授業もなく、授業はすべて通常のクラスでした。
留学当時に持ち込んだ新品の辞書は、1年でボロボロになるぐらい苦労もしましたが、その時の経験がどんな逆境にも負けない現在のベースとなっていることは間違いありません。
留学当時に持ち込んだ新品の辞書は、1年でボロボロになるぐらい苦労もしましたが、その時の経験がどんな逆境にも負けない現在のベースとなっていることは間違いありません。
他人の考え方を理解する耳を持つことの重要性
日本では英語を使える人を特別扱いする傾向がまだまだ強いですが、東南アジアでは当たり前のように英語を使い、大小に関わらず多種多様なビジネスを回しています。そんな現実を大学時代に目の当たりにできたことは、私にとって大きな経験になりました。それからは、英語はコミュニケーションツールの一つとして考えるようになり、英語以外の勉学にも励むことができたり、多くの留学生、友人と積極的にコミュニケーションをとることで見聞を広める事に注力ができました。
また、当時の友人と共にサークルの立ち上げをする中で、日本人だけでなく他国から来た留学生とも交流を持つことができ、その中でお互いの価値観の違いを認めることの重要性を学び、サークル組織を運営する上で協調しつつも決定を行っていく難しさを経験しました。
他人の考え方を理解する耳を持つことの重要性に気付かせてくれ、海外でも活躍できる言語というキッカケをくれた大学の4年間は、私にとって大変貴重な時間でした。また、大学時代の友人とは、良く枚方市駅周辺で酒を酌み交わしながら楽しく将来の夢を語れたことを、昨日のことのように思い出します。
また、当時の友人と共にサークルの立ち上げをする中で、日本人だけでなく他国から来た留学生とも交流を持つことができ、その中でお互いの価値観の違いを認めることの重要性を学び、サークル組織を運営する上で協調しつつも決定を行っていく難しさを経験しました。
他人の考え方を理解する耳を持つことの重要性に気付かせてくれ、海外でも活躍できる言語というキッカケをくれた大学の4年間は、私にとって大変貴重な時間でした。また、大学時代の友人とは、良く枚方市駅周辺で酒を酌み交わしながら楽しく将来の夢を語れたことを、昨日のことのように思い出します。
航空機産業への思い
1990年代の航空機構造部品製造は、同時5軸加工といわれる特殊な加工技術が必要とされたため、先進国でなければ製造ができない付加価値の高い産業でした。しかし、CNC加工機と、諸外国の技術が向上したことにより、2000年以降、航空機産業のグローバル化が急ピッチに始まろうとしていました。その環境の変化の中で、私は関西外国語大学で学んだ語学力を利用し、世界と仕事ができるエンジニアとなって日本の航空機産業に貢献したいと思い、現職に就くことを決めました。
日本の航空機機体構造部品製造は、工程ごとに発注するノコギリ発注形態から、金属加工、表面処理、組み立てまでの工程を行える一貫生産形態へ変わりつつあり、一貫生産を行うためには、工程ごとにNADCAP認定という厳しい認証テストを通過しなければなりません。
一貫生産のために今井航空機器工業はマレーシアに製造拠点をいち早く新設しましたが、このNADCAP認定取得の準備は困難を極めました。国内外の同僚たちと共に頭を抱え、すべて英語で書かれている顧客スペックを読みあさり、設備サプライヤーと協議し、工程決定、特殊工程監査に臨んだ事を今でもよく思い出します。認定取得後は、エンジン部品などの重要部品を含むB787関連部品の製造立ち上げにプロジェクトマネージャーとして参画し、認定活動を含め5年もの歳月を費やし、結果的に成功させた経験が私の誇りです。
日本の航空機機体構造部品製造は、工程ごとに発注するノコギリ発注形態から、金属加工、表面処理、組み立てまでの工程を行える一貫生産形態へ変わりつつあり、一貫生産を行うためには、工程ごとにNADCAP認定という厳しい認証テストを通過しなければなりません。
一貫生産のために今井航空機器工業はマレーシアに製造拠点をいち早く新設しましたが、このNADCAP認定取得の準備は困難を極めました。国内外の同僚たちと共に頭を抱え、すべて英語で書かれている顧客スペックを読みあさり、設備サプライヤーと協議し、工程決定、特殊工程監査に臨んだ事を今でもよく思い出します。認定取得後は、エンジン部品などの重要部品を含むB787関連部品の製造立ち上げにプロジェクトマネージャーとして参画し、認定活動を含め5年もの歳月を費やし、結果的に成功させた経験が私の誇りです。
一流の航空機部品製造企業を目指して
航空機部品製造は、787の量産加工製造継続、777X量産化、そして新型機の開発と右肩上がりに成長する中で、多くの国々がビジネスチャンスを求めて航空機製造に参画してきています。中でも、 東南アジア、南アメリカ、アフリカ等の諸外国が群雄割拠する中、コストを含め日本の金属加工業としてのプレセンスを国内外に示し、航空機部品製造を通して従業員、顧客、株主から必要とされる一流の企業へ成長させていきたいと考えています。
努力を惜しまない誠実な社会人に
これからの時代、英語ができるからといって仕事で成功できるわけではなく、英語はできて当たり前という時代が必ず来ます。だから、自分の主張をするためだけに英語を使うのではなく、他人の意見を聞く耳を持つことにも注力して欲しいと思います。人の意見を聞き、自分の考えを補正できる柔軟な対応力を身につけることで、海外に対して企業の価値を示し続けることができれば、日本の発展に寄与できるのではないでしょうか。自分の幸せと社会人としての責任の大小を天秤にかけるのではなく、努力を惜しまず、日本の発展のために関西外国語大学で学んだことを活かしていく、そんな誠実な社会人になってほしいですね。
掲載:2019年5月
掲載:2019年5月
今井 洋一郎(いまい よういちろう)氏 プロフィール
平成14年 NCプログラムと外国人教育
平成16年 ベトナムにて設計事務所ADMS立ち上げ
平成18年 改善担当者就任 切削工具研究開発
平成20年 新規マレーシア表面処理事業立ち上げ
平成22年 マレーシア工場NADCAP取得に尽力
平成24年 787マレーシア工場でエンジンカウル部品立ち上げ
平成25年 技術部長に就任 ボーイング認定取得に尽力
平成27年 ショットピーニング認定取得に尽力
平成28年 部品営業部 専務取締役就任 鳥取工場立ち上げに尽力
【公式ホームページ】
今井航空機器工業株式会社
平成16年 ベトナムにて設計事務所ADMS立ち上げ
平成18年 改善担当者就任 切削工具研究開発
平成20年 新規マレーシア表面処理事業立ち上げ
平成22年 マレーシア工場NADCAP取得に尽力
平成24年 787マレーシア工場でエンジンカウル部品立ち上げ
平成25年 技術部長に就任 ボーイング認定取得に尽力
平成27年 ショットピーニング認定取得に尽力
平成28年 部品営業部 専務取締役就任 鳥取工場立ち上げに尽力
【公式ホームページ】
今井航空機器工業株式会社