渕 香織

  • 渕 香織タックスアンドコンサルティング
  • 税理士
  • 渕 香織
  • 1993年
渕 香織

演劇部の仲間たちとは、今でも交流しています

  大学時代といえば、4回生の夏から1年間、アメリカのワシントン州立大学に留学したことが印象に残っています。後でゼミの教授から聞いた話によると、私のTOEFLの点数は高得点ではなかったけれど、とにかくやる気がみなぎっていたので選ばれたということでした。留学するまでに、国際交流センターが私達留学候補生を対象に、春休みの2ヶ月間、毎日、英語やアメリカの文化に慣れるための特訓をしてくれたおかげでだんだんと自信がついたのを覚えています。留学先では、イタリア人、スペイン人、そしてアジア各国の友人がたくさん出来、帰国後も、一番の仲良しだったインドネシア人の実家(ジャカルタ)に招待されたり、本当に良い経験をたくさんできたことに感謝しています。最近では、イタリア人の友人とfacebookでつながることができてうれしく思っています。

 そして、なんといっても大学時代に所属していた演劇部の活動、そして今でも続く演劇部の仲間との交流は一番の思い出です。実は、夫も同じ演劇部だったんですよ。当時の演劇部の仲間たちは、私たちも含めて東京に出てきている人が多いので、今でもみんなで連絡を取り合って集まることもしばしば。おばあちゃんおじいちゃんになってもずっと良い交流を続けていきたいと思っています。
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楽しい毎日からの思い切った決断が転機に。

 大学卒業後は、開港したばかりだった関西国際空港に勤務しました。機内食会社で、私が配属されたのは、その会社内では花形といわれていた営業部カスタマーサービスグループでした。私は留学経験があり英語が多少できたのでそこに配属されたようです。国際空港の独特の雰囲気や航空業界は大好きだったのですが、だんだんと航空会社で働きたいという思いが強くなってきました。当時就職した機内食会社が別のエアライン系の機内食会社に合併されたのです。その機内食会社からも営業としてぜひ来てくれないかというお声をかけていただいたのですが、やはり航空会社に就職したいという気持ちが強く迷ったのですがお断りしました。ちょうどその時に、運よくノースウエスト航空に入社することが出来、機内食部に配属されて、フライトコーディネーターやディスパッチオフィサーとして成田空港で働くことになりました。大好きな英語が活かせる上、憧れだった外資系航空会社で働く毎日はとても新鮮で、会社の福利厚生として自社便のフライトを使ってほぼ毎月のように海外に行けたことは本当に楽しかったです。家族も海外によく連れて行ってあげてました。

 でも、6年ほど働いた後、このまま会社勤めを続けるのではなく、何か手に職をつけて自分しかできない仕事をしたいと思い、思い切って退職。その後は同志社大学の大学院で会社法を専攻するとともに、専門学校に通って税理士を目指しました。そして、税理士試験に無事合格。しばらく都内の個人会計事務所で勤務していたのですが、その時はもう仕事で英語を使うことはないだろうと思っていました。でも、その後、ビッグ4と言われる世界4大会計事務所のひとつである新日本アーンストアンドヤング税理士法人に入社しました。グローバル企業や上場会社の税務など今までみたこともない難易度の高い仕事が多く最初は本当に戸惑いました。でもそこで初めて大好きだった英語と税理士の資格の両方を生かした仕事があることを知りました。それが、私が国際税務の仕事に興味を持つきっかけでした。

身近な国際税務の専門家として、これからも、自分にしかできない仕事を!

 最初は申告書作成等を担当していましたが、国際税務コンサルティングの仕事をしたいと思い、部署異動を願い出ました。今までの申告書作成の部署では、私の語学力でも「英語はできる方」と言われていたのですが、、国際税務コンサルティング部のスタッフは本当に皆さんすごく英語ができたので(スタッフは最低900点と言われました。)このままでは仕事が回ってこなくなると思い必死で英語の勉強をしました。同じチームのメンバーは外国人も多かったので、ミーティングのときやメールなどすべて英語であることにインターナショナルだなあって思ったことを覚えています。でも私はそういう雰囲気が大好きでした。
 もともといつか起業したいという思いがありましたので、2010年に独立し、「渕香織タックスアンドコンサルティング」を設立。今は国際税務の仕事を中心に税理士業をしています。開業してみてから知ったのですが、中小企業でも海外進出している企業が急増していますので、国際税務の専門家は不足している状態です。ですので、ありがたいことに様々な方からのご紹介などにより少しづつ業務もひろがっています。2012年11月には香港に会社を設立します。日本の企業がアジアに進出される際に、税務面からサポートできればと思っています。
 これからも「身近な国際税務の専門家」として、税理士であり、英語が話せるという特徴を生かして、自分にしかできない仕事をしていけたらと思っています。

 関西外国語大学の名前は、東京ではあまり知名度が高くなくて、残念な思いをすることも多かったのですが、ノースウエスト航空でも新日本アーンストアンドヤング税理士法人でも、関西外大の同じ学年の人ががんばっていて、びっくりしました。これから、もっと関西外大の名前が広まり、活躍する同窓生に仕事上でも出会える機会が増えると嬉しいですね。

掲載:2010年7月