許斐 雅文

  • The Japan Foundation, Sydney
    (国際交流基金シドニー日本文化センター)
  • 芸術文化交流部長
  • 許斐 雅文
  • 1984年
許斐 雅文

関西外大時代のさまざまな経験が今の私の原点だと感じています。

 映画好きの両親の影響もあり、小学校の頃から洋画ばかり見ていたのですが、英語は全然ダメ。中学時代の英語の成績は「2」でした。大学はもともと理系を目指していましたが、偶然出会ったアメリカ人とのたった一言の会話で人生が変わりました。今もその感動は忘れられませんが、何か自分の前の世界がパァーと開けた感じがして、それで関西外大です(笑)

 大学では、当時、学内最大規模だった通訳ガイドクラブに入部。部員は200~300人くらいいましたが、その中で男子部員はほんの一握り。これがもう体育会系の勢いで、特に、男子は英語そっちのけでイベント運営ばかり。そのお陰で、イベントとモノ作りの楽しさを実感することができました。特にイベントを通して得た「感動」は今も強く心に残っています。この頃の経験が、今の仕事にも大きくつながっていると思いますね。

 英語は、というと、とにかく外大の留学生をつかまえて、片っ端から話して学びました。当然、英語は上手くなかったので、自分の得意な映画の話ばかりして・・・(笑) 一緒に飲みに行ったり、とにかく自分をその環境におくことを心がけた覚えがあります。その意味では、関西外大は最高の環境だったと思います。

新鮮で面白いアイディアを出して人をワクワクさせたい!

 現在、The Japan Foundation, Sydney(国際交流基金シドニー日本文化センター)で、芸術文化交流部長(Manager, Arts & Culture Department)というポストにつき、芸術文化交流、学術交流、日本語普及などといった活動をしています。私は一貫して芸術・文化畑で、日本文化を紹介するためにさまざまなイベントを企画・運営してきました。映画、音楽、舞台、展示、講演など、伝統芸能からコンテンポラリーアートまで、今までに関わったイベントは、大小合わせると500本ぐらいになると思います。

 特に、私自身が映画好きということもあり、毎年日本映画祭を全豪の各都市で開催し、そのディレクターも務めています。最初、3本の無料上映だった同映画祭も、今年(2011年)で15年を迎え、20作品を上映し、シドニーとメルボルンで12,000人を動員する映画祭にまで成長しました。観客の約75%はオーストラリア人で占めており、つくづく映画は、日本文化紹介の有益なツールだと思っています。

 自分のアイディアや企画したものが実際に形となるのが、この仕事の醍醐味だと思いますが、イベントを含め、どんな仕事でも、「アイディア力」「マネージメント力」「マーケティング力」が大切な要素だと常々考えており、そのためにさまざまな経験をしてきました。

 私はとにかく「ワクワク」すること、させることが好きなので、ただ、イベントを仕事として消化するだけではなく、いつも「新鮮で面白いアイデア」を出すように心がけています。その為には、自分の引き出しをなるべくたくさん持つことが重要で、大学時代や若い頃の経験は、その基礎になっているのではないかと思います。

 在校生の皆さんには大学生活を思いっきり楽しんでほしいと思いますが、ただ楽しむのではなく、「楽しさを創ること」が大切だと思います。

掲載:2011年4月
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各地で日本文化紹介しながら、バスで2000キロの旅に!
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オーストラリアでの日本映画祭のボランティア仲間
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世界初の日本映画を使った日本語DVD教材「Jシネマプロジェクト」を発案し、販売。
オーストラリアを皮切りに2011年度より世界配給(英語圏)を予定。
『しあわせ家族計画』(英題:Happy Family Plan、販売元:MADMANエンターテイメント)