尾﨑友寿 氏
- シキボウ株式会社
- 上席執行役員 繊維部門長
- 尾﨑友寿 氏
- 1992年 外国語学部 スペイン語学科 卒業
幼少の頃から縁のある関西外大で過ごした、ラグビー中心の大学生活
祖父母や親戚の多くが大学の近所に住んでいたこともあり、幼少の頃から馴染みのあった関西外大。私にとっては「よく知っている遊び場」というイメージの場所でした。高校卒業後の進路を考える際には、得意な英語を活かせる大学に進学したいと考えており、最初に頭に浮かんだのが関西外大でした。幼い頃からのご縁を感じたのです。
大学生活は、ラグビー一色。高校の部活動でラグビーの面白さに魅了され、大学でも迷うことなくラグビー部へ入部しました。私の所属した4年間で経験者人数が一気に増え、部としての実力を着実に積んでいくなかで、自身のラグビー熱も高まっていったことを覚えています。しかし、入部した当初は団結して「ワンチーム」になっているとは言えず、ラグビーにかける想いや情熱もバラバラ。リーグ優勝という目標を掲げていた我が部にとって、部員間の熱量を合わせることは必須条件でした。とはいえ、20歳前後の多感な若者の集まりです。全員が同じ方向を向くまでに相当なエネルギーが必要で、とても苦労したことが今でも思い出されます。日々のミーティングや練習でコミュニケーションを重ねた結果、チームが一丸となり、目標としていたリーグ優勝を叶えたときの喜びはひとしおでした。あのとき感じた達成感は、今もかけがえのない経験として私の中に深く残っています。
勉強面においても4年間ほとんど授業を休むことなく真面目に出席していましたが、今思えば、放課後のラグビー部の活動のために毎日通学していた結果かもしれません。
中国一周旅行で受けた衝撃で芽生えた、海外勤務への憧れ
私が就職活動をしていた当時、テレビで放送されていたトレンディドラマで多かったのが、「主人公はアパレルメーカー勤務」という設定でした。繊維業界に憧れを抱いたのは、それらのドラマに影響されてのことかもしれません。繊維業界の中でも海外事業を展開している素材メーカーに絞って就職活動を進めているうちに、縁あってシキボウ株式会社から内定をいただきました。 海外での勤務に興味を持ったのは、大学入学前に友人と行った中国周遊旅がきっかけでした。約2か月をかけて中国大陸をぐるっと一周する、行き当たりばったりの珍道中。3日間ものあいだ電車に乗り続けたり、車内が雪だらけのバスで移動したりなど、普段の生活では味わうことのできない、非日常の出来事にたくさん巡り合いました。特に、雲南省での体験が印象に残っています。初めて触れた異文化や現地の人々との出会い、共にした食事、滞在先で起こった幾多のトラブルまでも、感じることすべてが新鮮でした。あれから40年近く経った今でも、当時の思い出は何物にも代えがたい宝物です。シキボウに就職してからASEAN地域を中心に150回ほど海外出張に出向いていますが、この中国旅行に勝る経験はほかにありませんね。
新たな一歩を踏み出した学生会での活動
2018年から海外赴任し、インドネシアの現地法人社長を努めました。言葉や文化の異なる現地の社員との出会いは多様な生き方・考え方を知る機会となり、多くの気付きをもたらしてくれました。
そんなことを感じていた時、ふと思い出される経験がありました。それは、関西外大で学生会本部の副代表を務めていた時のことです。学生会の本部役員は、体育会・文化会・サークルからそれぞれ選ばれ、大学公認サークルの事務局や学園祭の運営に携わっていました。4回生のときに副代表になった私にとって、ラグビー部以外の人との活動は初めての経験。これまで交わることのなかった人々との活動では、目にすること感じることすべてが学びになりました。当時の役員同窓生とは今でも交流があるほど、本部での活動を通して強い絆が生まれました。
そんなことを感じていた時、ふと思い出される経験がありました。それは、関西外大で学生会本部の副代表を務めていた時のことです。学生会の本部役員は、体育会・文化会・サークルからそれぞれ選ばれ、大学公認サークルの事務局や学園祭の運営に携わっていました。4回生のときに副代表になった私にとって、ラグビー部以外の人との活動は初めての経験。これまで交わることのなかった人々との活動では、目にすること感じることすべてが学びになりました。当時の役員同窓生とは今でも交流があるほど、本部での活動を通して強い絆が生まれました。
繊維部門長として目指すのは
輸出事業の拡大が私の目下の目標です。昨今の円安の影響もあり、トーブ服と呼ばれる中東民族衣装に適した生地の輸出量を着実に伸ばしています。輸出事業拡大に合わせて取り組んでいるのは、海外子会社間でのビジネス連携の強化。例えば、インドネシアで生産した糸や生地をベトナムに送り、ベトナムで縫製したシャツをアメリカへ販売する、というような国外拠点だけで完結するビジネスです。シキボウでは、インドネシア、タイ、中国にある既存の海外自家工場にとどまらず、2022年に台湾で、2024年にはベトナムで現地法人を立ち上げました。海外でのさらなるビジネス展開が期待できる今、グローバル事業推進室では毎日のように海外拠点同士の連携について活発な議論が交わされています。国境を越えた横のつながりを強化したビジネスです。
目標に向かって頑張る、その過程までも楽しめる人に
学生の皆さんには、大学にいる4年間でたくさんの経験を積み重ねてほしいです。クラブやサークルに所属するのはもちろん、海外旅行をしたり、ボランティア活動に参加したりするのも貴重な経験になります。なにか目標を立てて、ゴールに向けてがむしゃらに頑張るのもいいと思います。目標に到達するまでの過程も楽しめると、より充実感があるのではないでしょうか。大学とアルバイト先との往復だけではもったいない。みなさんが中身の濃い大学生活を送ることができるよう、応援しています。
掲載:2024年11月