紀川 浩二

  • シークス株式会社
  • 執行役員 東京営業部長 兼 大阪営業部 担当 兼 名古屋営業部 担当
  • 紀川 浩二
  • 1999年 外国語学部英米語学科
紀川 浩二

共通の夢を胸に、友と努力を重ねた学生時代

高校時代からなんとなく思い描いていた「海外で働きたい」という思い。その思いがはっきりとした夢へと変わったのは、関西外大での経験がきっかけでした。アメリカ・ケンタッキー州のルイビル大学へ留学したり、アメリカやカナダに一人旅をして英語力を磨いたり。中でも、サンクスギビングに訪れたシカゴやニューヨークのダウンタウンで目にした光景に圧倒されたことは、今でも鮮明に覚えています。なにもかもスケールが大きく、それまでに経験したことの無い胸の高まりを感じました。「将来は、私もこんな舞台で活躍したい!」と心に誓った瞬間です。また、課外活動も私に多くを与えてくれました。特に、硬式野球部の活動を通して得たものは、大学4年間での最大の収穫の一つ。「同じ夢を持つ仲間」と出会うことができたのです。「世界を舞台に活躍したい」という共通の夢を持った友人と互いに刺激し合いながら、語学の勉強に打ち込みました。商業英語検定を受験するなど、夢に向かって共に励んだ日々は今でも私の宝物です。

海外での初仕事を支えてくれた上司の言葉

「海外で活躍したい」という夢を胸に就職活動に挑むなかで、出会ったのがシークス株式会社でした。入社数年の若手でも、海外駐在のチャンスがあるという点に惹かれたのです。実際、入社4年目にして初の海外赴任を経験。記念すべき最初の赴任先は台湾でした。担当は当時のシークスの主力事業の一つであった、欧州の大手顧客向けの携帯電話用液晶モジュール製造でした。ドイツ、タイ、台湾、日本の4か国をまたぐダイナミックな仕事に、最初は苦労の連続でした。そんな時に私を支えてくれたのは上司の「操縦桿はお前に任せたのだから、思い切ってやれ。骨は拾ってやる」という言葉。私を信頼し、チャンスをくれた上司の恩に報いたいという一心で、営業を基礎から学び、各現地法人の幹部や仕入先との国境を超えた交渉にも体当たりで挑みました。最初の海外勤務で培われた仕事に対する心構えと営業の土台が、後のアメリカ駐在での挑戦を成功に導いてくれたのです。
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最大のピンチをチャンスに変えた「攻め」の姿勢

最も長い時間を過ごすことになるアメリカへ渡ったのは、2008年のことでした。駐在当初は、日系大手企業が開発した車載通信機器に使用する電子部品の取引を担当。必要な部品が一つでも欠けると車は完成しないため、当社の部品がないと生産工程全体に影響を及ぼします。カーメーカーの製造ラインを止めてしまうと、数億円規模の罰金を科される可能性があるという非常に緊張感のある仕事でした。次々に飛んでくるクライアントからのご要望に、知恵を振り絞って必死に応え続ける日々。その努力が実り、最終的には年商40億円を誇る規模にまで、事業を成長させることができました。立ちふさがる多くの困難を乗り越える糧となったのは、最初の赴任地である台湾で培った営業の土台、精神力、そしてアメリカ赴任時に上司から最初に言われた言葉です。「仕事は先手、先手で働きかけるもので、受け身でやるものではない」「周りを引きずり回せ。引きずり回すのと、引きずり回されるとでは大違い」という言葉が何度も私を勇気づけてくれました。同時に、会長が大切にされている「信頼」、「挑戦」そして「負けてたまるか」という姿勢を胸に、メキシコチームと連携を深めながら着実な努力を重ねていくことで、この大プロジェクトをやり遂げることが出来たのです。
アメリカに駐在していた15年間、数々の困難に直面しました。東日本大震災、米中間の関税問題、さらには新型コロナウイルスのパンデミックによる出荷停止と、いずれも簡単に解決できるものではありません。それでも「挑戦」の精神を貫き、一つひとつ着実に乗り越えてきました。その結果、2023年には車載電子機器事業は400億円規模の大規模プロジェクトへと成長しました。 そして2024年春、日本に帰国し、現職に就任。新たな立場で、更なる挑戦を続けています。
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新たな可能性を追い求める日々

現在は、更なる事業拡大に取り組んでいます。商社である当社は幅広いビジネス展開が可能で、まだまだ成長の可能性を秘めています。近年は、電子機器類の取引を基盤に、導電性インクやロボティクスなど新たな商材の販路拡大やバイオ抗体医薬のEMS、人材紹介事業等にも進出しています。世界15か国50拠点のグローバルネットワークを活かして、「お客様のニーズと世界中に散らばるシーズを結びつけ、ビジネスメリットを提供する」「フォローの風の吹くところで仕事をする。シークスの可能性は無限大」という理念のもと、商社界のリーディングカンパニーとして、国内外での更なる可能性の開拓に挑み続けていきます。
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仲間がいるから、高い壁も乗り越えられる

この先、皆さんも「高い壁」に直面することが何度もあるでしょう。そんな時に立ち止まってしまうのではなく、自分なりの方法で乗り越える努力をすることが、大きな成長につながります。私の場合、その助けとなったのは仲間の存在でした。大学時代、世界で活躍するという共通の夢を持つ友人に恵まれ、切磋琢磨することで、「海外で活躍する人物になる!」という大きな挑戦も楽しむことができました。その友人とは今でも交流が続き、生涯の友となっています。 また、困難に直面した際に、何度も私を救ってくれたものがもう一つあります。それは上司からの心のこもった励ましの言葉です。困難に向き合う力を与えてくれた、その言葉の背景には、常に私を見守り、成長させようとしてくれた姿勢があったのだと思います。本当に感謝しています。皆さんもこれからの人生で、きっと支えてくれる人や共に壁を乗り越えてくれる人に出会えるはずです。その出会いを大切にしながら、自分が「どうなりたいのか」「何を成し遂げたいのか」をしっかりと見つめ、後悔のない就職活動を実現してください。


掲載:2024年12月