中塚 裕己

  • リサール商業銀行(RCBC)
  • 取締役
  • 中塚 裕己
  • 1992年 外国語学部 英米語学科 卒業
中塚 裕己

キャリアの原点は先輩からの一通の手紙

新卒で旧住友銀行(現:三井住友銀行/SMBC)に入行してから今日まで、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどさまざまな国に駐在しました。今いるフィリピンには2017年からSMBCのマニラ支店長として赴任し、2020年に帰国後、RCBCへの出資が決まったことから2023年にマニラに戻り、統括責任者として出資先の経営管理やガバナンス強化に取り組んでいます。
私が住友銀行に就職したのは、留学先で受け取った先輩からの手紙がきっかけでした。「得意の英語が使えて、海外勤務もできる仕事がしたい」。そんなことをぼんやり考えながら留学していた私のもとに、関西外大を卒業し、住友銀行で勤務されていた先輩から手紙が届いたのです。書かれていたのは「留学中は留学先での生活に専念すること」、そして「帰国後の就職活動については何も心配しなくてよい」という内容でした。先輩の優しさとあたたかい人柄に心を打たれた私は、彼と同じ会社に入りたいと思うように。あれから数十年経って現在に至ります。
キャプションシンガポール駐在中、インドネシア出張時に現地の正装(バティック)を着ての面談

世界各国で取り組んだ地球規模の課題解決への挑戦

2007年10月、プロジェクトへの融資を主体とする営業部に環境ソリューション室が新設されました。温室効果ガスの排出削減を目的とする国際条約「京都議定書」の発効に伴って、途上国における温室効果ガス削減プロジェクトを企画・実行するために結成された部署です。立ち上げメンバーに選ばれた私は、アジアや東欧、ロシアにCIS諸国などさまざまな国へと出張しました。たくさんの国の人々と仕事をしましたが、中でも印象に残っているのはシンガポールとベトナムです。シンガポールで行っていたのは、汚泥処理で発生するメタンガスを日本の焼却技術を使って削減するプロジェクト。我々と日本総合研究所、鹿島建設そして現地の企業でチームを作って進めました。この取り組みが途上国の持続可能な開発に寄与したとして、国連よりCDMプロジェクト※の登録を受けることができたのです。さらに、ベトナムでは火力発電によって発生する二酸化炭素の削減を目的として、水力発電所プロジェクトの立ち上げに参画。日本の電力会社に技術コンサルタントになってもらい、プロジェクトが完工するまでサポートいただくと同時に、「日本貿易保険」という国の制度を利用して、本邦金融機関で初めてベトナムの民間水力発電事業への融資を実現できた案件なので、こちらも印象に残っています。銀行だけでできることには限界がありますが、SMBCのお客様をはじめ、地球温暖化防止という目的に賛同してくれるパートナーと組めば、如何なる困難にも対応できることを確信しました。お陰様で、近畿大学の客員教授として2年間、環境ビジネスについて学生に講義ができたことも非常に良い経験となりました。

事業を通して地球温暖化防止に貢献できていると考えると、今の仕事を誇りに思います。これからも現地にとって最適なプロジェクトを提案し、成果にコミットできるよう尽力したいです。

※先進国が途上国で温室効果ガスの排出削減プロジェクトを実施し、削減された排出量を自国の削減目標に充当できる仕組みのこと。
キャプション桜の植樹(10年後に桜公園が出来ることを期待して)
キャプションベトナム水力発電所プロジェクト完工式
キャプション日越協働プロジェクト記念碑

今の自分を作る礎となった関西外大での経験

社会人として必要不可欠な礼儀、立ち振る舞い、そして企画・準備・実行などのノウハウ。これらはすべて、関西外大のESS(英語研究部)で身につけたと言っても過言ではありません。部員数が多かったので、時間厳守はもちろんのこと、報告・連絡・相談も常に徹底されていましたね。厳しいと感じることもありましたが、社会で通用する人としての土台を作ることができたこの時間はとても有意義だったと感じます。部内では政治経済セクションに所属し、当時の時事についてのディスカッションおよびディベートに明け暮れる日々を送っていました。部長時代には構造改革の一環として新セクションを設立するなど、活動分野の拡大に奔走したのを覚えています。 部活動のほかにも、留学、多種多様なアルバイトなどさまざまな挑戦をしました。中でも、留学先での経験は何物にも代えがたいです。思い出はたくさんありますが、真っ先に頭に浮かぶのは、アメリカ人の友人と自動車で行った7000マイルの旅。東海岸から西海岸を目指し、北米大陸を横断する長い道のりでした。途中のキャンプ場で料理をしたり、将来について語り合ったり。このときの記憶は、今も色あせず私の心に残っています。春休みに実行したフロリダ最南端キーウエストまでの一人旅も、私の留学を語るには欠かせません。そこのレストランに勤務する日本人と知り合い、アメリカで生きていくために必要な心構えを教わりました。これも今の私を形成する大切な思い出です。
大学生の頃は学内外問わず、積極的に行動していました。そのおかげで出会えた一生の友や先輩後輩、恩師との絆は今も続いており、私にとってかけがえのない宝物となっています。
キャプション学生時代

海外ビジネスの最前線に立って思うのは

海外で仕事をしていると、「日本と同じことをしていたら大丈夫」という考え方ではうまくいかないことを日々実感します。まずは現地スタッフへのヒアリングを通してその土地の課題を見つけ、適した形で事業化したうえで、我が社がマーケットリーダーとして推進する必要があります。向こうからすれば異国のビジネスマンからの提案なので、受け入れ難いこともあるのでしょう。ですので、提案を受け入れてもらってからがようやくスタート。結果につながったときは感無量ですね。先方からもらう感謝の言葉にも、常に熱いものを感じています。 フィリピンをはじめとした途上国でのビジネスや、ファイナンスを通して学べたことは数知れません。いつか関西外大の学生に話す機会があればいいなと思います。
キャプションRCBC経営陣と

大学生のみなさんへ

関西外大は常に成長・発展し続ける、グローバル人財の宝庫だと感じています。先日も現役のESS部員から、今はディベートやスピーチについて学べる授業があると聞きました。この進化は、大学が時代の流れを読んで動いてくれている証拠ではないでしょうか。そんなプラットフォームで学んだ学生は、きっと社会に出たときに即戦力になれるはずです。
学生時代は、必死になって学べる特別な時間だと思います。何でもいいので、興味のある学問や気になる世の中の仕組みなどをとことん学び、一生懸命考えて、できるだけ頭を柔らかくすることを試みてはいかがでしょうか。 関西外大にはたくさんの留学生や外国人の先生がいることに加え、留学の機会もあるので、色々な国の人の声や考えを生で聞くことができます。それが、日本人とは全く異なる考え方、視点、発想の転換などを学ぶ事につながり、これからの世の中やビジネスの場できっと役に立ってくれるはずです。大学生のうちにさまざまなことに挑戦し、ぜひ自分探しをしてみてください。
もしフィリピンにお越しの際は、ぜひご連絡ください。大歓迎します!
フィリピンのマラカニヤン宮殿にて(現地の正装バロンを着用)
アジアで一番古いマニラロータリークラブ100周年記念パーティー


掲載:2025年7月